先日、心臓病「僧帽弁閉鎖不全症(弁膜症やMRともいいます)」と診断され当院で心臓手術を受けたキャバリア・キングチャールズ・スパニエルの田中月ちゃんが退院しました!

この僧帽弁閉鎖不全症は月ちゃんのようなキャバリアの子で発症・悪化することが多く、月ちゃんも初めて来院した時は既に超重度の心臓病となっていました。

ワンちゃんに多くみられる僧帽弁閉鎖不全症は、名前の通り心臓の逆流防止弁である「僧帽弁」がうまく閉まることが出来なくなり、本来一方通行である血液が逆流してしまう病気です。

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僧帽弁はパラシュートのような形をしておりヒモ(腱索といいます)でひっぱられることで弁が張り血液の逆流を防止する弁となります。

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このヒモ(腱索)が伸びてしまったり切れてしまうことが原因で僧帽弁がうまく閉まらなくなります。このヒモをつくるのが「僧帽弁形成術」です。

 

月ちゃんもこのヒモが数本切れてしまっていました。

手術でこのヒモをつくることで心臓の中の逆流がなくなり、手術後には呼吸困難や咳といった症状は消失しました。

僧帽弁閉鎖不全症は手術を行うことで逆流が減るため、症状が大幅に改善し、心臓病で命を落としてしまう可能性もなくなります。

もし心臓病でお困りのことがございましたら当院を一度訪ねてください。当院は少しでも心臓病のワンちゃんたちの力になりたいと考えています。