猫が突然「フガフガ」「ズーズー」と苦しそうな呼吸をすると、驚いてしまう飼い主も多いかもしれません。こうした呼吸は「逆くしゃみ」と呼ばれ、一時的な反応である場合がほとんどです。ただし、症状の出方によっては注意が必要なケースもあります。
本記事では、猫の逆くしゃみの特徴や主な原因、注意すべき症状、発生したときの対処法について詳しく解説します。
猫の逆くしゃみとは?
猫の逆くしゃみとは、空気を勢いよく吸い込む発作的な呼吸のことで、鼻や喉から「フガフガ」「ズーズー」といった音が出るのが特徴です。
通常のくしゃみが空気を外へ勢いよく出す動作であるのに対し、逆くしゃみは鼻から空気を連続して吸い込むような呼吸になります。通常、発作は数秒から数十秒ほどでおさまることが多いです。
猫の逆くしゃみが起こる原因とは?

猫の逆くしゃみは、以下のようなさまざまな要因によって起こると考えられています。
- 鼻や喉への刺激
- アレルギー
- 猫風邪
- 異物の混入
鼻や喉への刺激
猫の逆くしゃみが起こる原因の1つとして、鼻や喉への刺激が挙げられます。ホコリや花粉、タバコの煙、芳香剤の強い香りなどが気道に入ると、体が異物を排除しようとして反射的な呼吸が起こると考えられています。
また、空気の乾燥や急激な温度変化が刺激となることもあります。
アレルギー
アレルギーも、猫の逆くしゃみを引き起こす要因の1つです。特に、季節の変わり目や室内の環境が変化すると花粉やハウスダストなどの刺激物が増え、鼻や喉の粘膜が刺激されることで症状が出やすくなります。
猫風邪
猫風邪は、猫ヘルペスウイルスや猫カリシウイルスなどの感染によって起こる呼吸器の病気です。猫風邪になると鼻や喉に炎症が起こり、呼吸がしづらくなることがあります。その結果、「フガフガ」「ズーズー」といった逆くしゃみに似た呼吸音が聞こえるケースも見られます。
異物の混入
ホコリや砂、小さなゴミ、植物のかけらなどが鼻の奥に入り込むと、体が異物を外へ出そうとして呼吸が乱れます。その際に、「フガフガ」「ズーズー」といった音を伴うことも珍しくありません。
特に家の外に出る猫や、観葉植物の近くで過ごすことが多い猫では、こうした異物の混入が原因となるケースも考えられます。
猫の逆くしゃみで注意するべき症状とは?

猫の逆くしゃみは一時的な発作でおさまることも多い症状ですが、場合によっては体調の異変を知らせるサインというケースも見受けられます。ここでは、猫の逆くしゃみで注意したい主な症状について解説します。
- 逆くしゃみが頻繁に起こる
- 呼吸が苦しそう
- 鼻水や咳が続く
逆くしゃみが頻繁に起こる
逆くしゃみが頻繁に起こる場合は、鼻や喉、気道に何らかの異常が起きている可能性があります。鼻炎や感染症、アレルギーなどが関係しているケースもあるため、発作の回数が増えてきた時や、症状が続く場合は、早めに動物病院で相談するようにしましょう。
茶屋ヶ坂動物病院|総合診療科のご案内呼吸が苦しそう
逆くしゃみと同時に呼吸が速い、胸やお腹が大きく上下する、口を開けて呼吸しているといった状態が見られたら、気道や肺に何らかのトラブルが生じているおそれがあります。
猫は本来、鼻呼吸が基本であり、口を開けて呼吸することは少ないため、先述のような症状が見られる場合は注意しなければなりません。
鼻水や咳が続く
猫風邪や鼻炎などによって鼻や喉に炎症が起こると、逆くしゃみに似た症状が現れることがあります。特に、鼻水が長く続く、咳の回数が増える、元気や食欲が落ちているといった様子が見られる時は、早めに動物病院を受診しましょう。
猫が逆くしゃみをしたときの対処法とは?
猫が逆くしゃみをしたときは、原因や症状に合わせて対応することが大切です。本章では、猫が逆くしゃみをしたときの対処法について見ていきます。
- 生活環境を改善する
- 動物病院を受診する
生活環境を改善する
猫が逆くしゃみをする場合、生活環境を改善することで、症状の予防や緩和につながるケースがあります。ホコリやハウスダストが多い環境では鼻や喉が刺激を受けやすいため、こまめな掃除を心がけましょう。
空気清浄機を使用して室内の空気をきれいな状態に保つことも有効です。さらに、芳香剤や香水の匂い、タバコの煙などが猫の生活空間に入らないよう配慮することも重要なポイントです。
動物病院を受診する
逆くしゃみが頻繁に起こる場合や、他の症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。
猫の逆くしゃみに似た症状には、鼻炎や感染症、気道の異常などが関係している場合もあります。自己判断で様子を見続けると症状が悪化するおそれもあるため、「様子がおかしい」と感じたら専門家に相談しましょう。
茶屋ヶ坂動物病院|総合診療科のご案内猫の逆くしゃみに関するよくある質問

ここからは、猫の逆くしゃみに関してよくある質問に回答していきます。
Q1:逆くしゃみが起きている最中、背中を叩いたりしても大丈夫ですか?
体を叩いたり、無理に揺さぶったりするのは避けましょう。逆くしゃみは一時的な鼻粘膜への刺激反応であり、窒息しているわけではありません。驚いて叩いたり大きな声を出したりすると、猫がさらに興奮して呼吸が荒くなり、発作が長引く原因になります。
基本的には、静かに見守ってあげるのが一番です。もし数分以上止まらない場合は、優しく喉のあたりをさすってあげると、嚥下(飲み込み)反射が起きて落ち着くことがあります。
Q2:逆くしゃみと毛玉を吐こうとする動作はどう見分ければいいですか?
姿勢と音の鳴り方に注目してみてください。
逆くしゃみは、立ったまま、あるいは座った状態で鼻を「ズーズー」と激しく鳴らすのが特徴です。一方、毛玉を吐く前兆(嘔吐反射)の場合は、首を低く伸ばして前かがみになり、お腹を大きく波打たせながら「カッカッ」「ガッ」という喉の奥からの湿った音が出ます。
Q3:病院へ行く際、どのような情報を伝えれば診断がスムーズですか?
スマホで「発作中の動画」を撮影しておくのが最も効果的です。逆くしゃみは病院に着く頃にはおさまっていることがほとんどで、診察室で症状を再現することはできません。
動画があれば、獣医師はそれが逆くしゃみなのか、あるいは喘息や心疾患による咳なのかを正確に判断しやすくなります。
猫の逆くしゃみを正しく理解して適切に対応しよう
猫の逆くしゃみは鼻や喉への刺激などによって起こる呼吸の発作で、多くの場合は短時間でおさまります。ただし、発作が頻繁に起こるときや、呼吸が苦しそうな様子が見られたり、鼻水や咳などの症状が続く際は、体調不良が原因の可能性もあるため注意が必要です。
日頃から猫の様子をよく観察し、気になる変化に気づいたら生活環境を見直したり、動物病院で相談したりすることが大切です。











