犬の鳴き声には警戒や喜び、不安、要求、痛みなど、さまざまな気持ちが表れています。鳴き声の高さや長さ、鳴く場面によって理由や意味が異なるため、犬の様子とあわせて読み取ることが必要です。
本記事では、犬の鳴き声の意味や、鳴き声が多くなる原因、ご家庭でできる対策をわかりやすく解説します。
犬の鳴き声の種類

犬の鳴き声は、音の高さや長さ、鳴く場面によって意味が異なります。ここでは、主な犬の鳴き声の種類を紹介します。
- 「ワン!」「バウ!」
- 「ワンワンワン!」
- 「キャンキャン!」
- 「クンクン」「キューキュー」
- 「ウー」「グルルル」
- 「アオーン」
「ワン!」「バウ!」
「ワン!」「バウ!」と短く強めに鳴くときは、知らない人や物に対して警戒している可能性があります。「近づかないで」「こっちに来ないで」と伝えるサインで、体がこわばる、毛が逆立つ、低い姿勢になるなどの様子が見られることも少なくありません。
「ワンワンワン!」
「ワンワンワン!」と続けて鳴くときは、興奮や喜びを表していることが一般的です。飼い主さんが帰宅したときや、遊んでいる最中にテンションが上がったときなどに多く見られます。
しっぽを大きく振る、体を弾ませる、近くに寄ってくるなどの様子があれば、うれしい気持ちを伝えているサインと考えて良いでしょう。
「キャンキャン!」
「キャンキャン!」と高く連続して鳴くときは、恐怖や痛み、強い不安を感じていると考えられます。痛みを訴えている場合もあれば、他の犬や見慣れないものに驚き、パニックに近い状態になっているケースもあります。
「クンクン」「キューキュー」
「クンクン」「キューキュー」と高く細い声で鳴くときは、おねだりや寂しさを表しているとされています。「ご飯がほしい」「遊んでほしい」「ケージから出たい」など、飼い主に何かを求めて鳴くケースも見られます。
飼い主が外出する気配を感じたときに不安になり、すり寄りながら鳴くこともあります。
「ウー」「グルルル」
「ウー」「グルルル」と低くうなるときは、相手を警戒したり、近づかれることを嫌がったりしているサインといえます。「これ以上近づかないで」と伝えている状態のため、無理に触ったり、顔を近づけたりするのは避けましょう。
特に歯をむき出しにしている、体を硬くしている、じっと相手を見ているといった場合は、犬が強い緊張や不安を感じている可能性があります。
「アオーン」
「アオーン」と遠吠えのように鳴くときは、サイレンや音楽、ほかの犬の声に反応している可能性があります。音に共鳴して返事をするように鳴く場合もあれば、留守番中の寂しさや不安から、飼い主を呼ぶように鳴く場合もあります。
犬の鳴き声が増える原因

犬の鳴き声が多くなる背景には、以下のような様々な要因があります。
- 鳴けば要求が通ると覚えている
- 不安や寂しさを感じている
- 運動不足や退屈でストレスがたまっている
- 体調不良や痛みを感じている
鳴けば要求が通ると覚えている
犬が鳴いた時にご飯を与える、ケージから出す、すぐに遊ぶなどの対応を続けると、「鳴けば要求が通る」と認識してしまうことがあります。その結果、何かをしてほしいたびに鳴くようになり、鳴き声が増えてしまうのです。
不安や寂しさを感じている
飼い主さんと離れることに不安を感じる犬は、留守番中や飼い主さんが見えなくなったタイミングで鳴き声が増えることがあります。
「クンクン」と細く鳴いたり、「アオーン」と遠吠えのように鳴いたりする場合は、寂しさや不安から飼い主さんを呼んでいる可能性が高いです。中でも、分離不安の傾向がある犬では、長時間鳴き続けるケースも見られます。
運動不足や退屈でストレスがたまっている
散歩や遊びの時間が足りないと、犬はエネルギーをうまく発散できず、退屈やストレスから鳴き声が増えやすくなります。特に若い犬や活発な犬種は運動量や刺激が不足すると、退屈や不満の表れとして吠えることがあります。
体調不良や痛みを感じている
急に鳴き声が増えた場合は、体調不良や痛みが関係していることもあります。けがや腹痛、病気による不快感があると、「痛い」「苦しい」と訴えるように鳴くことがあるため注意が必要です。
触ろうとすると唸る、体を丸める、元気や食欲がないなどの変化が見られる場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
茶屋ヶ坂動物病院|総合診療科のご案内犬の鳴き声の対策とは?

犬の鳴き声を減らすには、鳴いている理由に合わせて対応することが必要です。
- 鳴いている理由を把握する
- 要求吠えにはすぐに応じない
- 安心して過ごせる環境をつくる
- 強く叱らず落ち着いて対応する
鳴いている理由を把握する
犬の鳴き声を減らすには、まず「なぜ鳴いているのか」を知ることが大切です。要求や不安、警戒、退屈、体調不良など、原因によって対応の仕方は変わります。
犬が鳴いた時間帯や場面、周囲の音、犬の表情やしぐさを確認し、何に反応しているのかを見極めるようにしましょう。
要求吠えにはすぐに応じない
要求吠えにすぐ応じると、犬は「鳴けば希望が通る」と覚えてしまいます。ご飯や遊び、ケージから出ることを求めて鳴いている場合は、目を合わせたり声をかけたりせず、静かになるのを待ちましょう。
犬が落ち着いたタイミングで褒めると、「静かにしていると良いことがある」と学びやすくなります。
安心して過ごせる環境をつくる
不安や寂しさから鳴いている場合は、犬が安心して過ごせる環境を整えましょう。落ち着けるベッドやクレートを用意し、静かに休める場所をつくると、犬も安心しやすくなります。
留守番前に散歩や遊びでエネルギーを発散させたり、お気に入りのおもちゃを用意したりすることも、1匹で過ごす時間の不安をやわらげる対策になります。
強く叱らず落ち着いて対応する
犬が鳴いているときに大きな声で叱ると、さらに興奮したり、不安が強まったりすることがあります。警戒や不安が原因の場合は無理に近づかず、やさしく声をかけたり、少し離れて見守ったりして安心させることが大切です。
要求吠えの場合も、鳴いている最中には過度に反応せず、静かになったタイミングで対応しましょう。
犬の鳴き声に関するよくある質問
愛犬の鳴き声や吠え癖について、飼い主様からよく寄せられる代表的な質問をまとめました。
Q1:留守番中の無駄吠えを防止するためにできる工夫はありますか?
A:外の刺激を遮断し、退屈させない環境づくりが効果的です。
犬が留守番中に吠える主な理由は「外の音や人影への警戒」と「孤独感による不安」です。まずは外を通る人や車が見えないようにカーテンを閉め、テレビやラジオ、リラックス効果のある音楽を小さめの音量で流して外の音をかき消してあげましょう。
Q2:要求吠えを無視しているとエスカレートしてしまいます。
A:一時的なエスカレートは効果が出始めている証拠です。一貫して無視を貫きましょう。これまで鳴けば要求が通っていた犬は、急に無視されると「声が小さくて聞こえないのでは」と考え、さらに大声で激しく鳴くようになります。
これは消去バーストと呼ばれる心理現象で、しつけが順調に進んでいる証拠です。
Q3:他の犬や人に吠えさせないようにする方法はありますか?
A:吠える対象との距離を保ちながら、落ち着いていられたら褒める練習をしましょう。すでに吠えてしまっているときは興奮状態にあるため、叱っても効果はありません。大切なのは、吠える前に予防することです。
鳴き声の意味を理解してコミュニケーションを取ろう
犬の鳴き声には、警戒や喜び、不安、要求、痛みなど、さまざまな理由があります。鳴き声だけで判断せず、どのような場面で鳴いたのか、表情やしぐさに変化がないかもあわせて確認することが大切です。
原因に合った対応を心がけ、急な変化や体調不良が見られる場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。











