犬は人よりも睡眠時間が長い動物であり、長時間寝ていること自体は珍しいことではありません。ただし、急に睡眠時間が増えたり、元気や食欲がなくなったりしている場合は、体調不良や病気が関係している可能性もあります。

本記事では、犬がずっと寝ているときに考えられる主な理由や、注意しておきたい症状について分かりやすく解説します。

犬が”ずっと寝てる”のは普通?

犬はもともと睡眠時間が長い動物であり、ずっと寝ているのは珍しいことではありません。犬の習性を知るためにも、まずは犬の平均的な睡眠時間や、よく寝る理由について理解しておきましょう。 

  • 犬の平均睡眠時間
  • 犬がよく寝る理由

犬の平均睡眠時間

犬は人よりも睡眠時間が長い動物で、成犬は1日12〜14時間、子犬は18〜20時間程度眠るとされています。また、老犬になると、体力の低下に伴い睡眠時間が長くなる傾向があります。

そのため、愛犬が長時間寝ているように見えても、必ずしも体に異変が生じているとは限りません。ただし、急に睡眠時間が増えたり、食欲や元気がなくなったりしている場合は、体調不良の可能性もあるため注意が必要です。

犬がよく寝る理由

犬がよく寝るのは、本来の習性によるものです。犬は野生で暮らしていた頃、狩りに備えて体力を温存するため、活動していない時間は休むことが多い動物でした。その名残から、現在でも短い活動と休息を繰り返す行動パターンが見られます。

加えて、犬の睡眠は人間より浅く、うたた寝のような状態を何度も繰り返すという特徴があります。そのため、1日を通して長く寝てるように見えることが多いのです。

犬が”ずっと寝てる”理由とは?

犬がずっと寝ている場合は、以下のようにいくつかの理由が考えられます。 

  • 退屈している
  • 年齢による影響
  • 気温や天候の影響

退屈している

犬がずっと寝ている理由の1つに、退屈していることが挙げられます。周囲からの刺激が少ない環境では、活動のきっかけが減り、寝て過ごす時間が長くなることがあります。

特に、遊びや運動の機会が少ない場合は、時間を持て余して休んでいる状態になりやすいとされています。

年齢による影響

年齢も、犬の睡眠時間に影響を与える要因の1つです。子犬は体の成長のために多くのエネルギーを使うため、成犬よりも長い時間眠る傾向があります。また、老犬になると体力や活動量が徐々に低下し、自然と休む時間が増えていきます。

気温や天候の影響

夏の暑い時期は、体力の消耗を防ぐために活動量が減り、寝て過ごす時間が長くなることがあります。また、寒い冬や雨の日などに散歩や外遊びの時間が減ると、結果として睡眠時間が長くなるケースが多いです。

犬がずっと寝ているときに注意したい症状とは?

睡眠時間の長さに加えて、体調の変化や異常な行動が見られる場合は、病気による不調が関係している可能性があります。ここでは、犬がずっと寝ているときに注意深く観察したい症状について解説します。 

  • 日常生活の行動に変化がある
  • 睡眠中の様子に異常が見られる
  • 夜中にずっと吠える・徘徊する

日常生活の行動に変化がある

食欲がなくごはんを食べない、水をほとんど飲まない、もしくは過剰に水を飲むなどの変化を伴う場合は、体調不良が原因で睡眠時間が長くなっている可能性があります。嘔吐や下痢が続く、歩き方がおかしい、急に体重が減る、抜け毛が増えるなどのサインにも注意が必要です。

こうした症状が見られる場合は、早めにかかりつけの動物病院を受診するようにしましょう。

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睡眠中の様子に異常が見られる

愛犬の健康を守るためには、寝ているときの姿勢や呼吸の様子にも目を向けることが大切です。

前肢を伸ばして腰を高く上げるポーズは、腹痛などの不調を示すサインの可能性があります。また、いびきが極端に大きい、呼吸が速い・苦しそうな場合も何らかの病気が疑われます。

さらに、座ったまま寝る様子が頻繁に見られる際は、心臓や肺にトラブルが生じているおそれもあります。普段と違う様子が見られるときは、早めに専門家に相談してください。

夜中にずっと吠える・徘徊する

夜中にずっと吠えたり、落ち着きなく歩き回ったりする様子が見られる場合は、認知症の可能性も考えられます。

高齢の犬は加齢によって脳の働きが低下し、昼夜の区別がつきにくくなることがあります。その結果、夜に吠え続けたり、家の中を徘徊したりする行動が見られるようになるのです。

また、昼間はほとんど寝て過ごすなど、生活リズムが大きく変わることも認知症の特徴の1つです。こうした変化に気づいたら、早めに動物病院を受診しましょう。

犬がずっと寝ているときに確認したいポイント

ここでは、愛犬が長く寝てるときに確認しておきたいポイントについて詳しく見ていきます。 

  • 散歩や運動量が足りているか
  • 生活リズムが乱れていないか
  • 快適な室内環境が整っているか

散歩や運動量が足りているか

犬がずっと寝ている場合は、散歩や運動量が足りているかを確認することが大切です。十分に体を動かす機会がないと、退屈から寝て過ごす時間が長くなることがあります。散歩や遊びの時間を確保し、適度に体を動かす習慣をつくるようにしましょう。

生活リズムが乱れていないか

生活リズムの乱れも、犬の睡眠に影響を及ぼします。散歩や食事の時間が日によって大きく変わると、活動と休息のバランスが崩れて、寝て過ごす時間が増える場合があります。

日々の習慣をできるだけ一定にすることで生活リズムが整い、活動時間と睡眠時間のバランスも保ちやすくなります。

快適な室内環境が整っているか

気温や湿度が高すぎたり低すぎたりすると、活動量が減って休んでいる時間が長くなることがあります。寝床が硬い、騒音が多いなどの環境も、睡眠の質を低下させる要因の1つです。愛犬が安心して過ごせるように、快適な室内環境を整えることが大切です。

犬が”ずっと寝てる”ときの対処法とは?

犬が長時間寝ている場合でも、元気や食欲があり普段と変わらない様子であれば、過度に心配する必要はありません。ただし、快適に休める環境を整えることは大切です。体に負担がかかりにくい寝床を用意し、静かな場所でゆっくり休めるようにしてあげましょう。

水分補給ができているかなど、愛犬の体調や行動を日頃から観察することも重要です。

犬の睡眠に関するよくある質問

犬の睡眠についてよくある質問をまとめました。

Q1:熟睡しているときにピクピク動いたり、小さく鳴いたりするのは病気ですか?

多くの場合はレム睡眠(浅い眠り)によるもので、心配ありません。犬も人間と同じように夢を見ると言われており、寝ながら足が動いたり、「クーン」と鳴いたりするのは、脳が活動している証拠です。

ただし、体全体が激しく突っ張るようにガクガク震えたり、名前を呼んでも全く起きない、あるいは失禁を伴うといった場合はてんかん発作の可能性があります。無理に起こさず、動画を撮って獣医師に相談してください。

Q2:寝る場所を頻繁に変えるようになりました。何か理由がありますか?

体温調節をしていたり、体の痛みが隠れていたりするサインかもしれません。

犬は体温が上がると冷たい床へ、寒くなると日向や毛布の上へと移動します。しかし、一晩のうちに何度も落ち着きなく場所を変える場合は、関節痛などで同じ姿勢を保つのが辛い、あるいは心臓や呼吸器の不調で「横になるのが苦しい」と感じている可能性もあります。

シニア犬でこの行動が増えた場合は、一度寝具を見直すとともに、健康診断を受けることをおすすめします。

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Q3:加齢による長寝と病気をどう見分ければいいですか?

呼びかけた時の反応と好きなことへの意欲に注目してください。加齢による睡眠は、名前を呼んだり散歩の準備をしたりすると、ゆっくりでも嬉しそうに反応します。

一方で、病気が原因でぐったりしている場合は、大好きなおやつや散歩の誘いに興味を示さなかったり、頭を上げるのがやっとという様子が見られます。寝る時間が増えただけでなく、起きている時間の活気が以前と比べてどうかを基準に判断しましょう。

体調の変化に注意して見守ろう

犬の年齢や生活環境、気温などによっては、睡眠時間が長くなることもあります。ただし、急に寝てる時間が増えたり、食欲がない、元気がないなどの変化が見られる場合は、体調不良が原因の可能性もあるため注意が必要です。

愛犬がずっと寝ていると感じたら、日頃の様子をよく観察し、気になる症状がある場合は早めに動物病院へ相談するようにしましょう。