猫と暮らしていると、旅行に出かけるときに連れて行くべきか、それとも自宅で留守番させるべきか迷う方も多いのではないでしょうか。猫は生活環境の変化にストレスを感じやすいため、どちらの方法を選ぶ場合も注意が必要です。

本記事では、猫を旅行に連れて行く際の注意点や、留守番をさせる場合のポイントなどをわかりやすく解説します。

猫を旅行に連れて行くことは可能?

猫を旅行に連れて行くことは、基本的におすすめできません。猫は環境の変化に弱く、知らない場所では強いストレスを感じやすいため、食欲不振や排泄のトラブルにつながることもあります。

さらに、犬と違って脱走した際に呼び戻すのが難しく、首輪やハーネスも外れやすいため、安全面でもリスクが高いといえるでしょう。近年は猫と泊まれる宿も登場していますが、猫の健康と安全を第一に考えるなら、旅行中は自宅やペットホテルで過ごさせる方が安心です。

猫を旅行に連れて行くときの注意点

猫と一緒に旅行を楽しむためには、安全面や猫への負担を十分に考えることが大切です。しっかり準備をしておけば、旅行中も安心して過ごすことができます。

ここでは、猫を旅行に連れて行くときの主な注意点をご紹介します。

  • 移動中はケージやキャリーバッグに入れておく
  • 脱走に備えて迷子札をつけておく
  • 食べ慣れたキャットフードを持っていく

移動中はケージやキャリーバッグに入れておく

猫を車内でフリーにすると、ブレーキやカーブで体を打ち付けたり、ドアを開けた瞬間に飛び出してしまう危険があります。安全のため、必ずケージやキャリーバッグに入れ、座席や荷台に固定しましょう。

猫は狭く暗い場所を好むため、ケージを安心できる場所として認識すれば落ち着いて過ごせます。布製や折りたたみ式、リュックタイプなど便利なものもあるので、普段から慣らしておくと旅行中も安心です。

脱走に備えて迷子札をつけておく

旅行中は、思わぬタイミングで猫が外に出てしまうことがあります。万一に備えて、首輪に飼い主の連絡先を記した迷子札を付けておきましょう。

マイクロチップを入れている猫もいますが、外見からはわかりにくく、専用の機器がないと確認できません。そのため、迷子札と併用することで、はぐれてしまった際に保護されやすくなります。

首輪は強い力がかかると外れる安全設計のタイプを選ぶと安心です。飼い猫の証として、迷子札とともに必ず付けておきましょう。

食べ慣れたキャットフードを持っていく

猫は環境の変化に敏感な動物なので、旅行中は食欲が落ちてしまうケースもあります。普段から食べ慣れているキャットフードを持参しておけば、安心して食べることができ、体調を崩しにくくなります。

さらに、お気に入りのおやつを準備しておくと、猫の緊張をやわらげたり、ストレスを軽減させたりするのに効果的です。旅行中に新しいフードを試すのは避け、普段と同じ食事を用意してあげることが、猫にとって快適に過ごすポイントといえます。

猫と旅行をするときに宿泊先で気をつけるポイント

猫と旅行をする際には、まずは宿泊先がペット同伴可かどうかを確認します。同伴可能な施設でも利用ルールや設備は場所によって異なるため、予約時にチェックしておくことが重要です

猫用のケージが備えられていないケースも多いので、折りたたみ式ケージや大きめのキャリーバッグを持参すると良いでしょう。さらに、慣れない場所では落ち着かないこともあるため、ドアの開閉時には脱走防止に十分注意する必要があります。

猫と一緒に旅行するときのトイレ対策

旅行中のトイレ対策には、持ち運びできるポータブルトイレを準備しておくと安心です。旅行前から慣れさせておくと、旅先でも落ち着いて使えるようになります。

移動時間が長い場合は、トイレごと入れられる折りたたみケージがあると便利です。猫は環境が変わることにデリケートな動物なので、使い慣れたトイレや猫砂を持参すると安心して排泄を行うことができます。

旅行中に猫を自宅で留守番させても大丈夫?

旅行中、猫を自宅に残してもいいのか悩む方は少なくありません。猫にとって一番安心できる場所は普段の生活環境である自宅ですが、ずっとひとりで留守番させることにはリスクも伴います。

ここでは、猫を自宅で留守番させる際に押さえておきたいポイントについて解説します。

  • 猫単独での留守番は最大で1泊2日まで
  • 長期ならペットホテルかシッターを利用する

猫の留守番は1泊2日まで

猫は環境の変化を嫌うため、旅行に連れて行くよりも自宅で留守番させる方が安心です。ただし、単独での留守番は最長でも1泊2日までが限度と考えましょう。それ以上の留守番は、ストレスや体調不良につながる恐れがあります。

留守中はエアコンで室温を管理し、自動給餌器や給水器を活用するなどして、十分な水やごはんを用意しておくことが大切です。さらに、災害や急病といった予期せぬ事態に備え、ペットカメラを設置したり、家族や友人に様子を見てもらったりすると安心です。

長期ならペットホテルかシッターを利用する

数日以上家を空ける場合、猫を留守番させるのは危険です。家族や友人に頼めないときは、キャットシッターやペットホテルの利用を検討しましょう。

キャットシッターであれば、猫が住み慣れた環境で過ごせる安心感があり、食事やトイレの世話に加えて、遊びの相手や写真・動画での報告をしてくれることもあります。

一方、ペットホテルは環境の変化が負担になることもありますが、動物病院併設型なら体調の急変にも対応してもらえる点が大きなメリットです。

旅行中に猫を留守番させるときの注意点

旅行で家を空けるときは、猫が安心して留守番できるよう、環境を整えることが大切です。

ここでは、猫の安全を守るために注意しておきたいポイントを紹介します。

  • 水とフードを十分に用意する
  • 室温を快適に保つ
  • トイレを複数設置する
  • 危険なものを片付けておく
  • 猫が楽しめるおもちゃを用意する

水とフードを十分に用意する

猫を留守番させるときは、十分な水分補給と食事ができるように準備しておくことが大切です。

水飲み場が一ヵ所だけだと器を倒して飲めなくなる可能性があるため、複数ヵ所に用意しておきましょう。特に夏場は蒸発しやすいので、涼しい場所に置くのがおすすめです。

食事については置き餌ではなく、自動給餌器やタイマーでフタが開くタイプの容器を使うと安心です。ただし、停電などで作動しない場合もあるため、予備のフードを別の場所に用意しておきましょう。

室温を快適に保つ

留守番中の猫を守るには、室温を一定に保ち、熱中症や冷えを防ぐことが欠かせません。

猫にとって快適な温度は25℃前後とされています。旅行中もエアコンを稼働させ、室温を維持するようにしましょう。設定温度と実際の室温が異なるケースもあるため、猫が過ごす部屋が適温になるよう調整することが大切です。

さらに、夏はカーテンで直射日光を遮ったり、冷感グッズを用意したりしておくと安心です。冬は火災の原因になるストーブや低温やけどの危険があるホットカーペットの使用は避け、エアコンでの温度管理を行いましょう。

トイレを複数設置する

猫はトイレが汚れていると排泄を我慢したり、別の場所で粗相してしまうことがあります。留守番中は掃除ができないため、可能であればトイレを複数設置しておくと安心です。きれいなトイレを確保することで、猫も快適に過ごせます。

危険なものを片付けておく

猫が留守番をするときは、誤飲やケガの原因になるものを必ず片付けておきましょう。輪ゴムや糸、ビニール袋、小さなおもちゃなどは誤食の恐れがあります。また、観葉植物や人間の食べ物の一部は中毒を起こす危険があるため注意が必要です。

さらに、薬や刃物、ガラス製品も猫の届かない場所に移動しておきましょう。コード類も感電や火傷につながるため、使わないものは抜いておくと安心です。こうした対策を徹底することが、留守中の猫の安全につながります。

猫が楽しめるおもちゃを用意する

留守番中に退屈しないように、猫が楽しめるおもちゃを用意しておくのもおすすめです。なかでも、転がすとフードが出てくる知育系のおもちゃや、自動で動くタイプのおもちゃは人気があり、遊びを通じたストレス解消にもつながります。

さらに、こうしたアイテムはいたずら防止にも役立ちます。ただし、数を増やしすぎると遊び疲れてしまうこともあるため、適度な量を置くようにしましょう。

旅行中も留守番中も猫が安心できる準備を整えよう

猫と暮らす飼い主にとって、旅行時に連れて行くか自宅で留守番させるかは大きな悩みです。猫は環境の変化に弱いため、同行させる場合は使い慣れたケージやフード、トイレなどの準備が必要です。

一方、留守番をさせる場合も、水やフードの確保、室温管理、危険物の片付けといった配慮が欠かせません。また、2泊以上家を空ける際は、猫をひとりきりにさせずに、キャットシッターやペットホテルの利用を検討しましょう。