猫の適正体重は？太りすぎ・標準・痩せすぎのチェック方法や肥満予防を解説

日々の生活の中で、愛猫の体重を気にする機会は少ないかもしれません。しかし、猫にも適正体重は存在します。太りすぎや痩せすぎは健康リスクを引き起こすことがあり、健康を維持するためにはこまめなチェックや適切な管理が不可欠です。

本記事では、猫の適正体重の目安や体型のチェック方法、太りすぎ・痩せすぎのリスクや実践しやすい管理のコツをわかりやすく解説します。

猫の適正体重は？

猫の健康を考えるうえで、適正体重を把握することは大切な要素の1つです。ここでは、猫の適正体重の目安や太りすぎ・痩せすぎの判断基準、自宅で実践しやすい体重測定の方法について紹介します。

• 猫の適正体重はどれくらい？
• 猫の太りすぎ・痩せすぎの判断基準は？
• 猫の体重の測り方

猫の適正体重はどれくらい？

猫の適正体重は、1歳前後の体重を基準に考えるのが一般的です。生後12ヶ月頃には成長がほぼ落ち着くため、この時期の数値が健康状態を判断する重要な目安になります。

以下は、月齢ごとに見た子猫の平均的な体重です。

品種や体格によって適正体重には幅があるため、上記の数値はあくまで目安として参考にしつつ、継続的に体重をチェックしておくとよいでしょう。 

猫の太りすぎ・痩せすぎの判断基準は？

猫の太りすぎや痩せすぎを判断するには、体重だけでなく「BCS（ボディ・コンディション・スコア）」と呼ばれる指標を活用することが重要です。肋骨、腰まわり、腹部の状態を目視と触診で確認し、痩せから肥満までを5段階で評価します。

理想とされるのは「BCS3」で、肋骨は触れるが目視できず、腰にほどよいくびれがある状態です。肋骨が浮き出て見える場合は「痩せすぎ（BCS1〜2）」、逆に脂肪が厚く肋骨に触れにくい場合は「太りすぎ（BCS4〜5）」と判断されます。

あわせて、筋肉量を評価する「MCS（マッスル・コンディション・スコア）」も確認しておくと、より正確に健康状態を管理することが可能です。

猫の体重の測り方

猫の体重を自宅で測る場合は、人間用の体重計を使って、猫を抱えた体重から飼い主の体重を差し引く方法が一般的です。100g単位まで測れる機器を使えば、小さな変化にも気づきやすくなります。

また、キャリーケースやベッドに入れた状態で測定し、そのあとでケースやベッドの重量を引く方法も効果的です。

より高い精度を求める場合は、ペット専用の体重計を使用するか、動物病院で定期的に測定してもらうことをおすすめします。

猫が太りすぎてしまう原因とは

猫が太りすぎてしまう背景には、運動不足や食事量の偏り、体質変化といったいくつもの要因が関わっています。

室内飼いの猫は運動不足になりやすく、消費カロリーが不足しがちです。また、フードやおやつの与えすぎも体重増加につながります。さらに、避妊・去勢手術後は基礎代謝が低下することがあるため、より慎重な管理が必要です。

こうした要因を踏まえたうえで生活環境や食事内容を見直すことが、肥満予防の第一歩となります。

猫の肥満リスク

人と同じように、猫の肥満もさまざまな健康リスクを引き起こします。血糖値の調整がうまくできず糖尿病を発症しやすくなるほか、関節炎や脂肪肝の危険性も高まります。

毛づくろいがしづらくなることで、皮膚トラブルにつながるケースも少なくありません。さらに、ケガや病気で手術が必要になった場合、麻酔管理が難しくなるなど、想定外の負担が生じる可能性があります。 

猫の「痩せすぎ」の原因は？

猫が痩せすぎてしまうケースもあります。猫が痩せてしまう背景には、食事量の不足やフードが合わないといった生活面の問題に加え、基礎疾患の存在などのさまざまな要因が挙げられます。

特に高齢の猫では、加齢による消化吸収力の低下や筋肉量の減少が起こりやすく、体重減少が目立つことがあります。ストレスや環境の変化によって食欲が落ちるケースも珍しくありません。

甲状腺機能亢進症や糖尿病、消化器疾患、腎臓病などの病気が隠れていることもあるため、「食べているのに痩せる」「元気がない」といった症状が続く場合は注意が必要です。

痩せすぎによるリスク

痩せすぎの状態を放置すると、筋力や体力が低下して疲れやすくなるだけでなく、免疫力の低下によって感染症にかかりやすくなる危険があります。何らかの病気が原因で体重が減っている恐れもあり、そのまま放置するのは危険です。

• ダイエットをしているわけでもないのに短期間で体重が大きく減る
• 食欲や元気がない
• 尿の量が急に変化した

上記のような症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診するようにしましょう。

猫の適正体重を維持する方法

猫の健康を守るうえで、適正体重を維持することはとても重要です。日頃から意識して管理することで、肥満や痩せすぎの予防にもつながります。猫の適正体重を維持するための方法としては、主に以下の3つが挙げられます。

• 食事量を調整する
• 食事の内容を見直す
• 定期的に体重を測る

食事量を調整する

猫の体重を適正に保つためには、現在の摂取カロリーを把握し、体格や健康状態に合わせて調整することが重要です。市販のフードにはカロリーや適正給与量が記載されているので、与えている量と比較して適切かどうかを確認しましょう。

太りすぎでも痩せすぎでも、食事量の見直しは欠かせません。ただし、急激に増減させると体調を崩す恐れがあるため、段階的に進めることが大切です。判断に迷う場合は、動物病院で適正カロリーの指導を受けることをおすすめします。

食事の内容を見直す

食事量だけでなく、フードの内容を見直すことも大切です。カロリーや脂質が多すぎると太りやすく、逆に栄養が不足していると痩せてしまう原因になります。年齢や体調に合った栄養バランスのフードを選ぶことが、健康的な体重の維持につながります。

たんぱく質がしっかり含まれたフードは、筋肉の維持にも役立ちます。体調や食欲に合わせて調整しつつ、必要に応じて獣医師にも相談しながら、愛猫に最適なフードを選びましょう。

定期的に体重を測る

猫の適正体重を維持するためには、定期的な体重測定も欠かせません。体重の増減を早い段階で把握できれば、食事量やフード内容の調整をスムーズに行えます。

体重測定の頻度は、成猫は月1回、子猫や高齢猫、持病のある猫は週1回以上が目安とされています。体重の変化は健康状態のサインでもあるため、気になる兆候が見られる場合は早めに獣医師に相談しましょう。

愛猫の適正体重を維持しよう

猫の体重は、健康状態を把握するための重要なバロメーターです。適正体重を保つには、日々の観察と正しい知識が欠かせません。

体重の増減だけでなく、体型の変化や食事の様子に目を配ることで、体調の異変にも気づきやすくなります。食事量やフード内容の見直し、定期的な体重測定を習慣にしつつ、必要に応じて獣医師の助言も取り入れながら健康管理を行いましょう。