犬が「フンッ」「クンクン」などと鼻を鳴らす様子は、一般的によく見られる行動の1つです。嬉しい、甘えたい、少し緊張しているなど、鼻鳴きには犬なりの気持ちが込められています。
一方で、音の出し方や継続期間によっては、体の状態が影響している可能性があるため注意が必要です。
本記事では、犬が鼻を鳴らすときに考えられる原因や鼻鳴きの種類、対処法や注意点などを詳しく解説します。
犬が鼻を鳴らすのはどんなとき?

犬が鼻を鳴らす仕草は日常のさまざまな状況で見られますが、その背景には感情や体の状態が深く関係しています。嬉しさや甘えといった前向きな気持ちから、不安や警戒心まで、鼻鳴きは犬にとって気持ちを伝える大切な手段の1つです。
音の出し方やタイミングを知ることで、愛犬の気持ちをくみ取りやすくなります。まずは、どのような場面で犬が鼻を鳴らすのかを見ていきましょう。
よく見られる鼻鳴きの種類
犬が鼻を鳴らす音にはいくつかの種類があり、それぞれに意味や気持ちの違いがあります。
- 「フンッ」
- 「ピーピー」
- 「クンクン」
「フンッ」
「フンッ」と短く鼻を鳴らす仕草は、相手に対して軽い不満や警戒心を示すサインです。犬が「少し嫌だな」「今は構われたくない」と感じているときに見られることがあります。ほかの犬や人が近づきすぎたときや、触られるのを嫌がるときに起こりやすいです。
「ピーピー」
犬が「甘えたい」「構ってほしい」と思っている時には、「ピーピー」という高めの音で鼻を鳴らすことがあります。一方で、慣れない環境に行った時や、知らない人・犬を前にした時など、不安や戸惑いを感じている際にも同じような音を出すケースが見られます。
表情やしっぽの動き、体の緊張具合なども合わせて観察することが大切です。
「クンクン」
「クンクン」と小さく鼻を鳴らす仕草は、犬が落ち着いた気持ちでいるときによく見られます。飼い主のそばにいて安心している場面や、甘えたい気持ちがある場面でよく出される音です。
一方で、「ピーピー」と同様に、初めての場所や慣れない状況では、不安や緊張を感じながら周囲の様子を確かめている可能性もあります。
犬が鼻を鳴らす時の対処法

犬が鼻を鳴らす時は、どんな気持ちで音を出しているのかを見極めたうえで、それに合わせた対処を行うことが大切です。ここでは、代表的な二つのパターンを紹介します。
- 警戒や自己主張として鼻を鳴らす場合
- 注意を引きたい気持ちから鼻を鳴らす場合
警戒や自己主張として鼻を鳴らす場合
犬が鼻を鳴らす行動の中には、相手に対して距離を保ちたいという意思表示が含まれていることがあります。これは強い攻撃とは異なり、「これ以上近づかないでほしい」「今は関わりたくない」といった軽い警戒や自己主張のサインとして現れるものです。
特に、縄張り意識が刺激された場面などで起こりやすく、犬なりのコミュニケーションといえます。こうした反応が見られる際には無理に近づかず、犬が安心できる環境をつくったり、距離を保ったりすることが重要です。
注意を引きたい気持ちから鼻を鳴らす場合
犬は、前向きな気持ちの表れとして鼻を鳴らすこともあります。飼い主の注意を引きたい時や甘えたい気持ちが高まっている時に、控えめに鼻を鳴らしてアピールすることも多いです。
表情がやわらかく、しっぽの動きも落ち着いているのであれば、遊びやスキンシップを求めて鼻鳴きをしていると考えてよいでしょう。優しく声をかけたり軽く触れたりすることで、犬に安心感を与えることができます。
病気が関係している場合もある?

犬が鼻を鳴らす際は、以下のような体の不調が関係している場合もあります。
- アレルギー・鼻炎
- 異物の混入
- 感染症・炎症性疾患
- 歯周病・口腔トラブル
- 腫瘍・ポリープ
アレルギー・鼻炎
犬が鼻を鳴らす状態が続く場合、アレルギーや鼻炎の影響が考えられます。ハウスダストや花粉、カビ、たばこの煙、強いにおいなどが刺激となり、鼻の中に違和感が生じることで音が出やすくなります。
くしゃみや鼻水を伴うことも多く、特に季節の変わり目は症状が目立ちやすい傾向にあります。環境を整えることで落ち着く場合も多いですが、症状が長引く場合は動物病院で相談すると安心です。
茶屋ヶ坂動物病院|総合診療科のご案内異物の混入
犬が急に鼻を鳴らし始めたら、鼻の中に異物が入り込んでいる可能性も考えられます。散歩中に吸い込んだ草の種や砂、細かなほこりなどが鼻腔に付着すると、違和感から鼻を鳴らしたり、くしゃみを繰り返したりすることがあります。
片側の鼻だけ音がする、前足で鼻を気にする行動が続くといった場合は注意が必要です。無理に取り除こうとせず、獣医師の診察を受けるようにしましょう。
感染症・炎症性疾患
感染症や炎症性のトラブルが鼻鳴きの原因となることもあります。細菌やウィルスに感染すると鼻や喉の粘膜が腫れ、空気の通りが悪くなることで呼吸音が目立ちやすくなります。
特に、くしゃみや鼻水に加え、元気がない、食欲が落ちるといった変化が見られる場合は注意が必要です。症状が軽そうに見えても気づかないうちに悪化していることがあるため、普段と異なる様子が見られる際は、早めの受診を検討してください。
歯周病・口腔内トラブル
歯周病や口腔内のトラブルが関係しているケースも見られます。犬の上あごの歯と鼻の内部は構造的に位置が近いため、歯周病が進行すると炎症や感染が鼻腔に影響し、鼻鳴きが起こることがあります。
口臭が強くなる、歯ぐきが赤く腫れている、よだれが増えるといった症状が見られる場合は、歯や歯ぐきに異常が起きている可能性が高いです。そのため、早めに動物病院で診察を受けることをおすすめします。
初期段階では気づきにくいことも多く、鼻鳴きをきっかけに口腔トラブルが見つかるケースもあるため、日頃から口の中の状態をチェックする習慣をつけておくとよいでしょう。
腫瘍・ポリープ
犬の鼻鳴きが長期間続く場合、鼻の中に腫瘍やポリープができている可能性も考えられます。腫瘍やポリープが鼻腔内をふさぐことで空気の通りが悪くなり、呼吸時に音が出やすくなります。
高齢犬で症状が徐々に強くなる、片側の鼻だけ音がする、鼻水に血が混じるといった変化が見られたら、早めに動物病院で詳しい検査を受けることが大切です。
犬が鼻を鳴らすのは気持ちと体調を伝えるサイン
犬が鼻を鳴らすのは、気持ちや体調を伝えるための大切なサインです。甘えや警戒といった感情の表れであることもあれば、体の不調が影響している場合もあります。
音の種類や鼻鳴きをする場面、表情や仕草などをあわせて観察することで、愛犬の状態をより理解しやすくなります。日頃から愛犬の様子を観察し、気になる変化が続く時は自己判断せず、必要に応じて動物病院に相談しましょう。
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